日々是漫画也

70年代生まれが出会った漫画たちのあらすじ紹介

新谷かおる ふたり鷹(3)

遂に動き出した沢渡鷹のレース人生!まずはライセンス取得を目指し奮闘する第3巻!

 

発行日 昭和57年10月15日

掲載誌 小学館 週刊少年サンデー

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◇登場人物(新規と変更)◇

 沢渡鷹[さわたり たか]

18歳。関東大学バイク部所属。愛車はFX。仲間想いのバイク大好き少年

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東条鷹[とうじょう たか]

18歳。関東大学在学。ブルー・ウェイレーシング所属のレーサー。冷静沈着な天才肌

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沢渡緋沙子[さわたり ひさこ]

沢渡鷹の母親。美容院を経営。愛車はコルベット

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花園明美[はなぞの あけみ]

緋沙子のイトコ。オッサンの風貌だが18歳。機械に詳しい

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岡田流火[おかだ るい]

バイク乗り。看護師をしている

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尾藤[びとう]

関東大学自動車部二輪の部長。愛車はCB1100R

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高塔由留[たかとう ゆる]

関東大学自動車部二輪の副部長。通称”黄昏(トワイライト)・ユル”

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⚫︎山田

関東大学バイク部の先輩

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近藤真樹[こんどう まき]

男性アイドル。プロモーションでバイクに乗る撮影をしにくる

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◇INDEX&あらすじ◇

地獄のツーリングの巻

 

由留が出した入部テストの第一条件は由留の後について走ることだった

最後までちぎれない事を条件に二人の由留を追いかける

置いて行かれた明美は他の部員から衝撃の事実を聞かされる

目的地は部長の実家がある岡山県であった

「”黄昏・ユル”ってのは長距離ツーリングからきたあだ名だよ。

 やつのうしろをついていったら日が沈むまで走り続けなきゃならんってことさ!」

 

その兆候を東条鷹はいち早く察知していた

由留のシートポジションを見て相当な距離を走る事を見越していたが、さすがに岡山県までは想定外であった

岡山県の片田舎にある民家に関東大学自動車部二輪の部長・尾藤はいた

バテバテのたちをよそに、今度はCB1100Rに乗った尾藤を加え部員がおさえた飲み屋へとバイクを走らせる

場所は・・・下関・・。

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食べ物が喉を通る状態ではない新人をほったらかして盛り上がる部員たち。

最後には尾藤が何事もないようにたちに告げる

「うん、じゃ東京に帰るぞ!!さあ、もうひとっ走りだ!!」

 

目標は鈴鹿の巻

 

やっと入ったバイク部だったが、バイクには乗らずランニングばかりの日々。

それもそのはず、走るのは速いが完走する前にバイクを壊してしまう関東大学バイク部には大学から殆ど部費が出ていなかった

その状況に嫌気がさし新入部員もどんどん辞めていってしまうため、も不安に駆られていた

壊れたバイクを修理する金もない中、明美がその重要性を発揮する

尾藤たちが直せなかったバイクをどんどん直してしまう

明美の手腕で光明が見えたバイク部は鈴鹿耐久レースへの出場を決める

 

東条鷹も国際B級ライセンスを取得し、所属するブルーウェイ・レーシングで耐久レーサーのCB900を駆って鈴鹿耐久へと臨む。

 

一方のたち関東大学バイク部は、体力強化と予算確保を並行して行える夜の工事現場での労働に精を出していた

 

ライダーのランクの巻

 

肉体労働に明け暮れるの目の前で、東条鷹は国際B級ライセンスを取得し鈴鹿耐久8時間にエントリーしたことを知らされる

その鈴鹿さえ東条鷹にとっては通過点であり、本当の目標はボルドール24時間耐久レースであった

 

自分より遥かな高みを目指している東条鷹に触発され、尾藤たちに耐久8時間への参加を直訴するがあっさり却下されてしまう

理由は簡単。耐久8時間に出場するには国際B級以上のライセンス保持者が3名必要だがバイク部でライセンスを持っているのは尾藤由留だけだった

 

しかも参加できたところで貧乏バイク部のバイクでは有名チームのマシンに太刀打ちできない事も理由のひとつだった

 

とにかく参加資格を得るためには自分が国際B級ライセンスを取ると宣言するが、実際にライセンスを取るためには全日本ロードレース選手権のシリーズ戦に出て30ポイント以上を取らなければいけなかった

最短で1位を2回取る快挙が必要だった

そこではというとその下のランクのノービスライセンスすら持っておらず、サーキットでのレース経験もなし

当然尾藤に一喝される

「レース・ランキングをなめんじゃねェ!!」

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しかし尾藤はそれを一笑に付さず、は次の日曜ツーリングの富士スピードウェイでサーキットライセンスを取り腕前を見定めらる事になった

 

与えられた13秒の巻

 

たった2時間の講義を聞いただけで富士スピードウェイのサーキットライセンスは無事発行された

早速、尾藤についてコースインしていく

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富士スピードウェイは全長6kmの正コースと全長4.3kmのショートコースがあり、30度の傾斜をもつ800Rの高速コーナーで国際的にも有名なレーシングコースである

このコースは最終コーナーのある150Rにむけての約6.5%の登りをどう抜けるかで勝負を大きく左右する。

きゅりにしてわずか700m、標高差300m、180km/h平均で走るレーサーにとって時間で13秒弱。

勝負を分け生死を分ける13秒であった

 

のペースは1分38秒

前を行く尾藤のペースは1分30秒

コース馴れを見越した尾藤は一気にペースを上げていく

負けじともペースを上げるが思うようにマシンコントロールが効かない

 

その様子を見ていた緋沙子

「やれやれ、ちょっとひき離されるとペースが乱れるんじゃまだまだ素人に近いねェ・・困ったもんだ・・」

 

あんたが1番の巻

 

二人のタイムは1分25秒台に突入

のドライビングは鬼気迫るものがあり他者を寄せ付けない雰囲気があった

そしてタイムが23秒を切ってくると別の問題が出てくる

尾藤のマシンはTZ250、対してのマシンはTZ125

半分の排気量にも関わらず尾藤についていっているは限界に近いはずであった

の実力を確認した尾藤はマシンの負担も考えピットインしようとすると、同じく減速するはずのはそのままのスピードで走って行ってしまう

 

は長時間の高速走行によって体が硬直してしまうスピードショックになってしまっていた為、スロットルを緩められずにいた

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何とか体のバランスでコーナーを曲がり続けるがこのままでは転倒して事故になるのは時間の問題だった

尾藤由留達を連れて鷹を止めようとするが、明美が機転を利かせの視界に入るようにチェッカーフラッグを振るとスピードショックの硬直が無事取れては安全に止まる事ができた

「レース終了!!あんたが1番!!」

 

なんとか事なきを得たが、そのの走りを尾藤は危惧する

「まいったなあんにゃろう!本能的に走ってやがったんだ!!

 あの走りの本能は両刃の剣だ!!

 鍛え方によっては世界チャンピオンも夢じゃない!!

 一歩まちがえれば・・命をおとすことになるな!!

 沢渡鷹・・なんてやつだ!!」

 

マッチとレースをの巻

 

 緋沙子がサーキットに来ていた理由は、鷹を見に来たのではなく近藤真樹という男性アイドル歌手のプロモーションスタッフとして呼ばれていたのであった

そしてもう一人、サーキットで撮影するためにブルーウェイ・レーシングも協力しておりライダーとして東条鷹も参加していた

 

撮影側の意向で三人でレースをしている画が欲しいということになりに白羽の矢が飛んできた

東条とサーキットを走れるということと、先ほどの不甲斐ない走りを緋沙子にダシにされやむなくは依頼を受ける事にする

 

いざサーキットに出るとレース仕様のたちのマシンと、外側だけレース使用で中身はノーマルの近藤のマシンには性能差がありすぎてたちは同じペースを保てなかった

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近藤が一周している間にたちは二週すれば後ろから追いかける画が撮れるであろうと画策し、二人の鷹は猛スピードで近藤を引き離していく

計画通り近藤の後ろに二人が回ると、プライドを傷付けられた近藤のはらわたは煮えたぎっていた

「ばかにしやがって みてろ・・おれだって、速く走ろうと思えば走れるんだぞ!!」

 

マッチ1本火事のもとの巻

 

本来は近藤の後ろに二人の鷹がついて撮影するはずだったが、二人に対抗意識を燃やした近藤はたちが後ろに近づくとムキになってスピードを上げて離れて行ってしまう

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撮影にならないスタッフから一旦ピットインの指示を受け、最後の一周でたちはひと勝負をしお互いの成長を確認しあう

ピットの入り口が迫ってきたので近藤に二人が近づくと、近藤は抜かれないようにスピードを更に上げるが、その勢いでマシンはコース外へと飛び出して行ってしまう

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ギリギリの所でバイクをぶつけ近藤を救出するがその代償としては足の骨にヒビがはいってしまう

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ケガの功名というやつで、後日壊してしまったバイクのお詫びにと近藤が所属する芸能プロからCBX400が送られてくる

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鈴鹿をとれの巻

 

レースに参加するマシンは手に入れたが、の足はまだ本調子には程遠い状態であった。

バリバリのメンバーも心配していたが、当の本人はどこ吹く風であった

走ったことのない鈴鹿で1位になることは果たして可能なのか?

 

の事を心配するのは緋沙子も同じであった

「くそ、まだ完全にくっついてないのかな!?

 たくもう、バイクとちがって人間の体は部品交換きかねェからな!!」

「そうコロコロ買い換えられちゃ、お腹痛めて産んだあたしの立場がないじゃないか!!」

 

軽口を叩き合いながらも緋沙子の心配は本物であった

はそれをわかっていても鈴鹿のレースに賭ける意気込みも本物だった

 

迎えた鈴鹿 ロードレース第1戦当日

尾藤は世界中のレーサーが一度は鈴鹿を走りたがると説明する

それはバイクの生産国では世界最大の日本のサーキットだからだという

「世界中のバイク・ライダー、それも耐久レースの選手たちの、合言葉はこうだ!!

 鈴鹿をとれ!!」

 

通過タイム、2分30秒の巻

 

 部員の山田の説明で鈴鹿サーキットの概要を理解しただが、足の具合はあまりよくなかった。それを知った明美がは心配して声を掛けるが、

「はん、痛いかゆいは、子供の言うこと!

 大人は黙って勝利をめざす!!」

と強がって聞く耳を持たない

 

大きなレースだけに参加チームも多彩であった

京都の”キャンキャン” メンバーは全員女性でピンクのスズキGSXを使う

大阪のビック1レーシングは気の荒い二人のレーサーで参戦

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今年はスーパーストリートが新設されたため参加人数が膨れ上がっていた

由留の見立てでは本番に近いタイムである2分30秒を出さないと予選通過は機敏しいとのことである

そして遂に予選レースが始まった

 

予選開始の巻

 

予選開始直前にそわそわしているに声をかけてきたのは岡田流火だった

彼女は知り合いに頼まれてレースに参加していたが、去年はTT-3ランクで参加し42周でリタイアしていた

去年を知る流火に参加メンバーの情報を教えてくれた

ビック1レーシングの荒っぽい二人組は堺金次郎・銀次郎の双子の兄弟

アメリカン・スクールのチーム・エンタープライズJ・トンプソンはプロレスラー並みの体格の持ち主

鷹が出会った浜松ゲルニカ骨田という男は文字通り骨のような体だった

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予選は5周走って3、4、5週目のタイムを計る

の最初のタイムは2分28秒07

ブレーキなどの微調整を行いいよいよ周目というときに問題が発生する

のバイクのギアが壊れ4速から上が入らなくなってしまっていた!!

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第4巻に続く 

 

◇感想

 3巻です。

大学へ行きクラブに入ってレースを目指すって少年誌の割に地道というか、ちょっと対象年齢層高めというかやっぱジャンプとは流れが違いますね。

バイクレース漫画って時点でライセンスってのは不可避だし、出生秘話でかなり重めの内容だった2巻に比べると、今回はちゃんとしたバイク漫画です。

 鷹本人は無鉄砲なまま、環境がレーサーになる手助けをしてくれている感じですね。成功するには周りの人の助けって大事。

新しいモブも出てきましたが、こちらはキャラ優先の賑やかしで逆に緊張感を削がれます(笑)

しかし、昔のアイドルキャラって痛々しい。